寒さで活動量が下がり、体調を崩しやすくなる発達障がい児者によく出会います。
今年は暖冬でしたけど、それでも相談では、よく話題になりました。
ですが、相談で話す度に驚かれるので、あまり知られてないのでしょうか。
一度まとめておこうと、3月にSNS等で記事にしていたのですが、ブログの方のタイミングとしては少し遅くなりましたね。
でもまた冬は巡って来るので、心構えをしていただけたらと、こちらにも加筆修正した内容で載せておきます。
冬は、発達障がいに関係なく、体調を整えるのに一苦労の毎日です。
冬季うつというのもありますし、加齢に伴って冷えが辛く感じるのかもしれません。
発達障がいの冬の苦手さについては、生来的か二次的か線引きしにくく、個人差があるように感じます。
体力(筋力?)のある人の方が、苦手さの程度は少し減るようですが、それだけで解決しなさそうにも思います。
具体的なエピソードとしては、寒くなってくると、朝起きられない、学校に行けない、遅刻が増える、疲れやすい、体が動かない、よく寝る、外からの感覚刺激に過敏になる、などが語られます。
一年間同じパフォーマンスを維持しにくいので、周りの理解と配慮が必須な事柄です。
とにかく、周りも、ご自身も、責めないことです。
私が相談に応じるときには、大体10月後半から4月前半位までの時期を念頭に置いております。
特に12~2月は、いわゆる “冬眠” 状態に近いです。
対人関係のストレスや、プレッシャーのある用事のあるなしにはあまり関係がなく、覚醒レベルが低く、鈍くなるようで、活動できる時間が非常に短くなります。
春夏に比べて、睡眠と休養の時間を十分に取る、余裕のあるスケジュールを立てる、省エネでなるべく楽しめる活動に絞り込む、服装や室温に気を付けて体を冷やさない等々、冬ver.の生活を組み立てて、焦らず気負わず、その時期を乗り切ります。
一年かけてお付き合いしていくと季節的な体調のリズムも見えてきます。
その時々で対策を話し合いながら、次の一年では前倒しで準備しておくことも可能になります。
「多いですよ」と話すだけでも、ホッとした表情をされます。
気づかなかった、そういえば…と、腑に落ちましたと話されることも多いです。
対策して、安定して冬を越せると自信にもなりますので、視点を持つことが大事だなあといつも思います。
と同時に、この体調のリズムに合った学業や就労の形態はないものかな...とも思います。
一年間同じような労働力を求められる職場は多いです。
受験の多くは冬に行われ、卒業や新入学、就職の季節もまだまだ寒いですしね。
まずは生活の中で、できそうな工夫を探してみることから始めるといいのかなと思います。
取りかかりやすい部分を見つけるのに、生まれつきなのか二次的なのか、両者が混合しているのかについて、保護者から幼児期の様子を尋ねて何となく判断しております。
(本人さんのみの面接だと、幼児期は覚えてないので、必須ではないです。)
生まれつきの障がい特性としては、気温や湿度、気圧等の感覚過敏、身体や内臓感覚の鈍感さによる対応の遅れ、対策のバリエーションの少なさ、などが考えられます。
二次的には、ストレス過多によって心身が不調になり、寒さや乾燥、低気圧、日照時間の短さがより辛く感じる、などです。(この辺の身体のメカニズムについてはあまり詳しくありませんが…。)
ただ実際、どちらが多いのだろう…と疑問に思っています。
幼児期の相談を多く受けていた時期、あまり気づきませんでしたが、その頃の私には、まだ視点がなくて、保護者に詳しく尋ねることをしなかったからかもしれません。
それとも幼児期はまだまだ元気で、長年ストレスを溜め込んだ結果、中高生くらいで出やすい人が圧倒的に多いのでしょうか。
(幼児期の支援をされている皆様、印象でもよいので教えていただけると嬉しいです。)
睡眠、栄養、運動、リラクゼーション、充実した活動や人間関係、自立・自律的な生活など、様々な視点からの総合的なアプローチが有用なのだろうなと考えています。
※ここに書いたことは、これまでの実践経験から得た知恵みたいなもので、研究による検証などは行っておりませんし、今後変わりうることもありますので、そのつもりでお読みください。
※この記事へのご意見やご感想などがありましたら、こちらまでお寄せ下さい。ただし、個別の相談にはお答えいたしませんのでご了承ください。