気持ちや体調に気づく

自分がモヤモヤ、イライラしているとき、

その理由がわかるとスッキリすることって誰でもあるのでは、と思います。

例えば、これは私の体験ですが、

何だか今日は落ち込みやすくて、マイナス思考だなあと思っていたら、

そういえば生理前だな~と気づくと、なーんだとホッとすることがあります。

  

最近とげとげしている気分だと思っていたら、

数日後の朝早い遠出のお仕事に緊張しているのだと気づくこともあります。

 

 

以前に『コミュニケーションの障がい』という記事で書きましたが、

発達障がいとは、対他者とのコミュニケーションだけでなく、

自分の内面とのコミュニケーションに障がいがあります。

 

内面とは具体的に、暑いとか痛いとかの自分の体の感覚や、

この場面で自分は感じているという感情のことを指しています。 

 

『体調』や『感情』に気づき、その要因となった『出来事』を結びつけて把握し、

その上で合わせた『対応・対策』を取っていくことが必要です。

自分で対策を取ってもいいし、周りに『表出』して対応してもらう場合もあります。

 

発達障がいの方たちは、ある出来事の自分の感情(体調)に気づき、

その状況に合わせて、対策を取る(人に伝える)ことに苦手さを持ちます。

 

気づきと対応(または表出)の二段階なんですね。

 

気づけないならそもそも対策がとれませんし、

気づいても、どうしていいか対策が思いつきにくいのです。 

 

 

対策についても、幾つかあるわけです。

例えば空腹に気づいても、すぐ食べられない状況ならば、

水を飲むとか、寝てまぎらわすとかあります。

 

新しいことに不安でイライラしてるなら、

具体的な計画を立てたり、下見に行ったり、頭でシミュレーションしてみたり、

経験者から話を聞いてみたりできます。

準備万端でも不安がまだ残るなら、別のことで気分転換を図ったり、

いっそのこと予定を止めてしまうこともアリです。

 

こういった選択肢を自分で思いつきにくく、なかなか選べないでいるので、

何となくモヤモヤしたまま、踏み止まったままになるんですね。

イライラして周りに当たったり、かんしゃくを起こしたりする人もいます。

 

周りから見れば、何で?となるのでしょうし、

叱ったり、励ましたり、と気持ちの面に働きかけるかもしれません。

障がいだから仕方ないと、諦めてしまうかもしれません。

 

ですが、別の切り口として、もしかして自分で理由に気づいていないのかな、

対策のとり方がわからないのかな、と周囲が考えることができたなら、

聞き出して気持ちを整理したり、複数の方法を提案したり、という働きかけになります。

 

そして、原因や対策の一つ一つは案外些細なことだったりもします。

例えば、

 ・不眠の原因が寒さ→寝具を冬仕様にしたら眠れた。

 ・疲れてイライラ→いつもより早く寝たら回復した。

 ・外出を嫌がる→着る服のコーディネイトをあらかじめ決めたら外出した。

 ・宿題が多くてイライラ→計画を一緒に立てて一日のやる量がわかると取りかかった。

 

等々…です。

ええ?そこだったの?!と、こちらは驚くこともありますが、

本人にとって、わからないときは、やはり深刻なのです。

 

また、解決までいかなくても、だからかも?と理由に気づけたり、

やれることがあるとわかっただけでスッキリして落ち着くこともあります。

 

そして、最初は、周りが一緒に考えていたとしても、

人によっては、だんだん自分自身でやれるようになる方もいらっしゃいます。

 

特性を知ることが、支援につながるのは、こういうことなんですね。

 

 

外とのコミュニケーションだけでなく、内面とのコミュニケーションスキルも、

ぜひ育てていってほしいな、と思っています。 

 

 

※ここに書いたことは、これまでの実践経験から得た知恵みたいなもので、研究による検証などは行って 

 おりませんし、今後変わりうることもありますので、そのつもりでお読みください。

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